政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
四章 永遠に尽きない恋心

一 身近にあった悪意

猛暑が続く、八月初旬。


六条商事が御門ホールディングスの傘下に入ることが発表された。会見も行い、一部はニュースに取り上げられている。


会見は、それぞれ両家の祖父と父――つまりは会長と社長が開いた。慧も、その場にはいたそうだ。


すみれは、六条が御門の傘下に入ることや会見について事前に聞いていた。
だからと言って、できることはない。会見中は就業時間内だったこともあって、会社で一部の社員たちとテレビの前で見守った。


ただ、世間はあまり興味がないのだろう。
SNSでは、少しは話題に上がっていたそうだけれど……。テレビではスポーツや芸能ニュースに埋もれ、ほとんど放送されなかった。


夜には、SNSでもあまり話題になっていなかったほどだ。世間からすると、スポーツや芸能ニュースの方が人気なのは当然のこと。


注目されすぎれば、マイナスなコメントも増える。そういう意味では、無事に会見を終えられたことも含めてよかったのかもしれない。


「ただいま」
「おかえりなさい。会見、お疲れ様でした」


玄関で慧を出迎えるようになって、もう久しい。彼は靴を脱いで家に上がるなり、すみれの肩に頭をポスッと乗せた。


「さすがに今日はちょっと疲れたな」


ため息交じりの声には、珍しく疲労感が滲んでいる。会見の準備は主に慧が担ったそうで、情報を漏らさないために尽力したと聞いている。


「メディアは相変わらずうるさかったよ」


面倒そうに言った彼は、すみれの背中に腕を回した。

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