政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
二 間違った決断
「――れ。……すみれ?」
慧の声でハッとする。朝食の支度をしていたすみれが顔を上げると、リビングにいる彼が心配そうな顔でこちらを見ていた。
「どうかした?」
「いえ……。ちょっとぼんやりしてしまっただけです」
「本当に? 熱でもあるんじゃないのか?」
キッチンに来た慧が、すみれの額に自身の額をこつんとくっつける。彼の手は、すみれの頬あたりをそっと撫でた。
「平気です。昨日ちょっと夜更かししちゃって、寝不足なだけですから」
笑顔でごまかすが、慧は眉を下げている。彼に心配をかけているのは心苦しいのに、本当のことは言えなくて歯痒かった。
真輔と会ってから一夜が明けたが、どこか現実味はない。朝起きて一番に、もしかしたら夢だったのでは……と思った。
昨夜、慧は日付けが変わってから帰宅した。会食後に仕事のトラブルがあって、誠二ともに会社に戻ったのだとか。
すみれはまだ起きていたが、疲れた様子の慧を見て必死に平静を装った。間違っても彼に余計な負担をかけないよう、笑顔を絶やさなかったつもりだ。
しかし、一緒にベッドに入ってもなかなか寝付けなくて……。珍しく慧が先に眠ってしまい、すみれは暗闇の中で彼の寝息を聞きながらぼんやりとしていた。
「朝ご飯、もうできますからね。今日は洋食ですよ」
コーヒーしか飲まなかった慧は、朝食を摂るのがすっかり日課になっている。彼の分も作るのは張り合いがあり、なによりも一緒に食べられるのが嬉しい。
だから、今日もいつも通りに振る舞った。
メインは、サーモンとスライスオニオンのベーグルサンド。それを白いプレートに盛り、ベビーリーフも添える。
フルーツヨーグルトとコーヒーも準備すると、ふたりでテーブルに着いた。
慧の声でハッとする。朝食の支度をしていたすみれが顔を上げると、リビングにいる彼が心配そうな顔でこちらを見ていた。
「どうかした?」
「いえ……。ちょっとぼんやりしてしまっただけです」
「本当に? 熱でもあるんじゃないのか?」
キッチンに来た慧が、すみれの額に自身の額をこつんとくっつける。彼の手は、すみれの頬あたりをそっと撫でた。
「平気です。昨日ちょっと夜更かししちゃって、寝不足なだけですから」
笑顔でごまかすが、慧は眉を下げている。彼に心配をかけているのは心苦しいのに、本当のことは言えなくて歯痒かった。
真輔と会ってから一夜が明けたが、どこか現実味はない。朝起きて一番に、もしかしたら夢だったのでは……と思った。
昨夜、慧は日付けが変わってから帰宅した。会食後に仕事のトラブルがあって、誠二ともに会社に戻ったのだとか。
すみれはまだ起きていたが、疲れた様子の慧を見て必死に平静を装った。間違っても彼に余計な負担をかけないよう、笑顔を絶やさなかったつもりだ。
しかし、一緒にベッドに入ってもなかなか寝付けなくて……。珍しく慧が先に眠ってしまい、すみれは暗闇の中で彼の寝息を聞きながらぼんやりとしていた。
「朝ご飯、もうできますからね。今日は洋食ですよ」
コーヒーしか飲まなかった慧は、朝食を摂るのがすっかり日課になっている。彼の分も作るのは張り合いがあり、なによりも一緒に食べられるのが嬉しい。
だから、今日もいつも通りに振る舞った。
メインは、サーモンとスライスオニオンのベーグルサンド。それを白いプレートに盛り、ベビーリーフも添える。
フルーツヨーグルトとコーヒーも準備すると、ふたりでテーブルに着いた。