政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「今日はお弁当のおかずはないんだな」
残念そうな顔をした慧に、ふふっと笑ってしまう。
「すみません。今日はおにぎりだけにしたので……」
「珍しいな」
「たまにはこういう日もいいかなって。でも、明日はまたお弁当を作りますから、残ったおかずも出しますね」
「じゃあ、出汁巻き卵が食べたい」
「わかりました」
彼からのリクエストに、すみれの頬が綻ぶ。こんな些細な幸せすら、すみれの心を温かくしてくれる。
それなのに……真輔のことが頭から離れないせいで、幸福感に浸り切れない。
もしかしたら、目の前の幸せが終わる日が来るのかもしれない。そんな風に思ってしまい、胸の奥が締めつけられた。
「すみれ? 食べないのか?」
「食べますよ」
慧にじっと見つめられ、慌てて笑顔を返す。
(しっかりしなきゃ……。慧さんに知られたら、御門と六条に被害が出るかもしれないんだから)
タイムリミットは二週間。決して長くはないが、少なくとも打開策を探すことはできるかもしれない。
(弁護士……はダメだよね。真ちゃん……あの人に知られるかもしれないし……。とにかくまずはネットで調べてみよう)
平静を装って朝食を摂りながら、必死に思考を働かせる。
社内の法務担当者にそれとなく訊いてみることも考えた。しかし、真輔の話では御門と六条の両方にスパイがいるということになる。
両社に潜り込んでいるのが誰なのか……。それがわからない以上、迂闊な行動はできない。すみれの一挙手一投足が真輔に筒抜けになる可能性もあるのだから。
残念そうな顔をした慧に、ふふっと笑ってしまう。
「すみません。今日はおにぎりだけにしたので……」
「珍しいな」
「たまにはこういう日もいいかなって。でも、明日はまたお弁当を作りますから、残ったおかずも出しますね」
「じゃあ、出汁巻き卵が食べたい」
「わかりました」
彼からのリクエストに、すみれの頬が綻ぶ。こんな些細な幸せすら、すみれの心を温かくしてくれる。
それなのに……真輔のことが頭から離れないせいで、幸福感に浸り切れない。
もしかしたら、目の前の幸せが終わる日が来るのかもしれない。そんな風に思ってしまい、胸の奥が締めつけられた。
「すみれ? 食べないのか?」
「食べますよ」
慧にじっと見つめられ、慌てて笑顔を返す。
(しっかりしなきゃ……。慧さんに知られたら、御門と六条に被害が出るかもしれないんだから)
タイムリミットは二週間。決して長くはないが、少なくとも打開策を探すことはできるかもしれない。
(弁護士……はダメだよね。真ちゃん……あの人に知られるかもしれないし……。とにかくまずはネットで調べてみよう)
平静を装って朝食を摂りながら、必死に思考を働かせる。
社内の法務担当者にそれとなく訊いてみることも考えた。しかし、真輔の話では御門と六条の両方にスパイがいるということになる。
両社に潜り込んでいるのが誰なのか……。それがわからない以上、迂闊な行動はできない。すみれの一挙手一投足が真輔に筒抜けになる可能性もあるのだから。