終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
第15話 帰ってこないアイツ
翌朝。
眩しいくらい輝く夏の太陽に反して、あたしの顔はそれほど浮かない。
元彼と決別したからといって、世界が劇的に変わるわけじゃない。
「藤原さん、この件どうします?」
「あっ……ごめん、もう一回言って」
「珍しいですね。疲れてます?」
「ちょっとね」
愛想笑いを浮かべながら誤魔化す。
昨日のことを引きずっているわけじゃない。
むしろ、気持ちはスッキリしている。
——なのに。
胸の奥だけが、妙に沈んだままだった。
元彼との再会で昔を思い出したからだろうか。
それとも、案件のキャンセルが続いているせいだろうか。
自分でも理由は分からない。
「藤原先輩、この資料なんですけど……」
控えめに呼ぶ後輩の声に顔を上げる。
指摘された箇所を見て、あたしは思わず額を押さえた。
「うそ……数字一列ズレてる」
他の資料もいくつか修正の丸印。
普段なら絶対にしないミスだった。
「ごめん、すぐ直すわ」
「先輩少し休憩したほうが……顔色も良くないみたいですし」
「……そうね」
ここで突っぱねるほど、周りが見えないわけじゃない。
自分のタスクを見て、少しだけ甘えて休憩することにした。
眩しいくらい輝く夏の太陽に反して、あたしの顔はそれほど浮かない。
元彼と決別したからといって、世界が劇的に変わるわけじゃない。
「藤原さん、この件どうします?」
「あっ……ごめん、もう一回言って」
「珍しいですね。疲れてます?」
「ちょっとね」
愛想笑いを浮かべながら誤魔化す。
昨日のことを引きずっているわけじゃない。
むしろ、気持ちはスッキリしている。
——なのに。
胸の奥だけが、妙に沈んだままだった。
元彼との再会で昔を思い出したからだろうか。
それとも、案件のキャンセルが続いているせいだろうか。
自分でも理由は分からない。
「藤原先輩、この資料なんですけど……」
控えめに呼ぶ後輩の声に顔を上げる。
指摘された箇所を見て、あたしは思わず額を押さえた。
「うそ……数字一列ズレてる」
他の資料もいくつか修正の丸印。
普段なら絶対にしないミスだった。
「ごめん、すぐ直すわ」
「先輩少し休憩したほうが……顔色も良くないみたいですし」
「……そうね」
ここで突っぱねるほど、周りが見えないわけじゃない。
自分のタスクを見て、少しだけ甘えて休憩することにした。