愛とか恋とかウザいので
9・この恋の答え合わせ
主役に帰っていいと言われたので、萌依は会場に戻ることなく、蒼弥と共に自宅マンションへと向かった。
「萌依、愛してる」
玄関のドアを閉めるなり、パンプスを脱ぐ暇も与えず、蒼弥は愛の言葉を囁き、萌依の肩を掴んだ。
「ん……っ」
片手で肩を壁に押しつけられ、もう一方の手で顎を持ちあげられる。そしてそのまま唇を奪われて、萌依はくぐもった息を漏らした。
「どれだけ、この想いを言葉にしたいと願っていたことか」
ふたりきりになるまでは、どうにか理性を働かせていたが、ふたりきりになった途端、それが限界に達したらしい。
一度唇を解放した蒼弥は、そう呟いて萌依の下唇を甘噛みする。
「あっ」
そのピリッとした痛みに萌依が思わず声を上げると、蒼弥が「誘っているのか?」と、揶揄ってくるので恥ずかしい。
「違います」
否定して、萌依は蒼弥の胸を押すが、彼の体はびくともしない。それは男女の力差があるという以上に、本音では萌依が相手を拒んではいないからだ。
それは蒼弥にも伝わっているのだろう。
形ばかりの萌依の抵抗を楽しむように、萌依の首筋に顔を寄せて囁く。そのまま首筋に唇を触れさせ、突き出した舌で唾液の筋を描かれると、背筋にゾクゾクとした痺れが走って膝から崩れ落ちそうになる。
それをどうにか堪えていると、萌依の努力を知ってか知らずか、蒼弥はそのまま萌依の耳朶を甘噛みして問いかけてくる。
「俺にこうされるのは嫌か?」
彼の声に直接鼓膜を擽られているような錯覚に襲われ、萌依は目眩を覚えた。
「あ……うっ……ぇ」
顔に熱が籠もって、息をするのも苦しい。そんな状態なので、うまく声を発することができない。
萌依は、言葉で伝えるのを諦めて首を横に振ることで気持ちを伝えた。
だけど蒼弥は納得してくれない。
「萌依が俺のことどう想っているか、ちゃんと教えて」
囁いて、今度は萌依の首筋に唇を触れさせた。
吸血鬼が獲物を捕食するかのように、萌依の首筋に歯をたてる。歯形が残らない程度の甘噛みとわかるのだけれど、これまで見ることのなかった蒼弥の雄としての一面に、萌依の呼吸は乱れていくばかりだ。
息苦しさに、萌依はすがるように蒼弥の背中に腕を回した。
彼の着ている上質なスーツをクシャクシャに握りしめることで息苦しさを伝えたのだけど、蒼弥は、萌依が望む言葉をくれるまで、甘い刺激を与え続けるつもりらしい。
萌依の顎を捉えていた手を、肩の方へと移動させ、そのまま腰のラインを撫でていく。そうかと思えば、途中まで引き返してきて、胸の膨らみに手を重ねた。
そうやって手を動かしながら、萌依の唇以外の場所にキスをしては、「教えて」と、甘くねだってくる。
「あ……愛しています」
観念した萌依が自分の想いを口にしても、蒼弥は簡単には納得してくれない。
「誰を?」
そんなわかりきった質問を重ねて、萌依の胸を揉む。
「蒼弥さんを……んっ」
緩慢に胸を揉みしだかれるだけなのに、いつの間にか胸の尖りが芯を持ちだしていたらしい。
蒼弥の指の動きでそれを強く意識させられた萌依は、肩を跳ねさせて息を呑んだ。
「萌依、敏感なんだな」
囁く蒼弥の唇が、再び萌依の唇を塞ぐ。
今度キスは、大人のキスだった。重ねた唇の隙間から彼の舌が侵入してきて、萌依の舌を絡め取っていく。
舌で歯列を撫でられ、互いの舌を絡め合い、唾液が混じり、呼吸が触れ合う。
荒々しくそれでいて官能的な彼の口付けに、呼吸が乱され、いよいよ立っているのが辛くなってくる。
「意地悪」
萌依は、蒼弥の背中に回していた腕を、どうにかふたりの間にねじ込ませて彼の胸を押した。
熱に潤んだ瞳で睨まれて、さすがに蒼弥もやり過ぎたと思ったのだろう。
軽く肩をすくめることで詫びる。
「ごめん。だけど、これは萌依にも責任がある」
「私に?」
「俺の気持ちに少しも気付かない上に、ミツセさんと親しげにしていたから」
「あれは、そんなんじゃっ」
慌てる萌依の唇を、蒼弥は再びキスで塞ぐ。
でもそれは萌依から反論の言葉を奪うためだけのもので、すぐに唇を離して、「先に謝っておく」と詫びてきた。
「え?」
「どうやら俺は、本気の恋をするとかなり嫉妬深いらしい。これから萌依を苦労させるな」
つまりこの濃密な愛情確認は、蒼弥が萌依を強く愛しているからこそということらしい。
「そういう苦労なら、うれしいです」
赤面しつつも萌依が言うと、蒼弥が「ありがとう」と艶やかに笑う。
「とはいえ、ここでこれ以上のことをするのはムードがなさ過ぎる」
湿った萌依の唇を指でなぞり、蒼弥は「続きは今夜」と、甘く囁く。
それがなにを意味するか、萌依だってもちろんわかっている。
「はい」
はにかみつつも萌依が頷くと、蒼弥はパンプスを脱ぐのを手伝った後でリビングへと向かった。
「萌依、愛してる」
玄関のドアを閉めるなり、パンプスを脱ぐ暇も与えず、蒼弥は愛の言葉を囁き、萌依の肩を掴んだ。
「ん……っ」
片手で肩を壁に押しつけられ、もう一方の手で顎を持ちあげられる。そしてそのまま唇を奪われて、萌依はくぐもった息を漏らした。
「どれだけ、この想いを言葉にしたいと願っていたことか」
ふたりきりになるまでは、どうにか理性を働かせていたが、ふたりきりになった途端、それが限界に達したらしい。
一度唇を解放した蒼弥は、そう呟いて萌依の下唇を甘噛みする。
「あっ」
そのピリッとした痛みに萌依が思わず声を上げると、蒼弥が「誘っているのか?」と、揶揄ってくるので恥ずかしい。
「違います」
否定して、萌依は蒼弥の胸を押すが、彼の体はびくともしない。それは男女の力差があるという以上に、本音では萌依が相手を拒んではいないからだ。
それは蒼弥にも伝わっているのだろう。
形ばかりの萌依の抵抗を楽しむように、萌依の首筋に顔を寄せて囁く。そのまま首筋に唇を触れさせ、突き出した舌で唾液の筋を描かれると、背筋にゾクゾクとした痺れが走って膝から崩れ落ちそうになる。
それをどうにか堪えていると、萌依の努力を知ってか知らずか、蒼弥はそのまま萌依の耳朶を甘噛みして問いかけてくる。
「俺にこうされるのは嫌か?」
彼の声に直接鼓膜を擽られているような錯覚に襲われ、萌依は目眩を覚えた。
「あ……うっ……ぇ」
顔に熱が籠もって、息をするのも苦しい。そんな状態なので、うまく声を発することができない。
萌依は、言葉で伝えるのを諦めて首を横に振ることで気持ちを伝えた。
だけど蒼弥は納得してくれない。
「萌依が俺のことどう想っているか、ちゃんと教えて」
囁いて、今度は萌依の首筋に唇を触れさせた。
吸血鬼が獲物を捕食するかのように、萌依の首筋に歯をたてる。歯形が残らない程度の甘噛みとわかるのだけれど、これまで見ることのなかった蒼弥の雄としての一面に、萌依の呼吸は乱れていくばかりだ。
息苦しさに、萌依はすがるように蒼弥の背中に腕を回した。
彼の着ている上質なスーツをクシャクシャに握りしめることで息苦しさを伝えたのだけど、蒼弥は、萌依が望む言葉をくれるまで、甘い刺激を与え続けるつもりらしい。
萌依の顎を捉えていた手を、肩の方へと移動させ、そのまま腰のラインを撫でていく。そうかと思えば、途中まで引き返してきて、胸の膨らみに手を重ねた。
そうやって手を動かしながら、萌依の唇以外の場所にキスをしては、「教えて」と、甘くねだってくる。
「あ……愛しています」
観念した萌依が自分の想いを口にしても、蒼弥は簡単には納得してくれない。
「誰を?」
そんなわかりきった質問を重ねて、萌依の胸を揉む。
「蒼弥さんを……んっ」
緩慢に胸を揉みしだかれるだけなのに、いつの間にか胸の尖りが芯を持ちだしていたらしい。
蒼弥の指の動きでそれを強く意識させられた萌依は、肩を跳ねさせて息を呑んだ。
「萌依、敏感なんだな」
囁く蒼弥の唇が、再び萌依の唇を塞ぐ。
今度キスは、大人のキスだった。重ねた唇の隙間から彼の舌が侵入してきて、萌依の舌を絡め取っていく。
舌で歯列を撫でられ、互いの舌を絡め合い、唾液が混じり、呼吸が触れ合う。
荒々しくそれでいて官能的な彼の口付けに、呼吸が乱され、いよいよ立っているのが辛くなってくる。
「意地悪」
萌依は、蒼弥の背中に回していた腕を、どうにかふたりの間にねじ込ませて彼の胸を押した。
熱に潤んだ瞳で睨まれて、さすがに蒼弥もやり過ぎたと思ったのだろう。
軽く肩をすくめることで詫びる。
「ごめん。だけど、これは萌依にも責任がある」
「私に?」
「俺の気持ちに少しも気付かない上に、ミツセさんと親しげにしていたから」
「あれは、そんなんじゃっ」
慌てる萌依の唇を、蒼弥は再びキスで塞ぐ。
でもそれは萌依から反論の言葉を奪うためだけのもので、すぐに唇を離して、「先に謝っておく」と詫びてきた。
「え?」
「どうやら俺は、本気の恋をするとかなり嫉妬深いらしい。これから萌依を苦労させるな」
つまりこの濃密な愛情確認は、蒼弥が萌依を強く愛しているからこそということらしい。
「そういう苦労なら、うれしいです」
赤面しつつも萌依が言うと、蒼弥が「ありがとう」と艶やかに笑う。
「とはいえ、ここでこれ以上のことをするのはムードがなさ過ぎる」
湿った萌依の唇を指でなぞり、蒼弥は「続きは今夜」と、甘く囁く。
それがなにを意味するか、萌依だってもちろんわかっている。
「はい」
はにかみつつも萌依が頷くと、蒼弥はパンプスを脱ぐのを手伝った後でリビングへと向かった。