思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
6・元護衛騎士の暴走、狂犬のお仕置き
「会いたくて、堪らなかった……!」

 ある程度移動を終え、ヴァドリックが追ってこないと判断したのだろう。
 リベルラの身体を地面へ下ろすと、リガルドはこちらを壁際へ追い込んで泣き縋ろうと試みる。
 それを必死に避けて抵抗を続ければ、「何故抱きしめさせてくれないのか」とこちらに潤んだ瞳を向けてくる。
 そんな彼を睨みつけ、苛立ちを隠せぬまま吐き捨てた。

「あなたはいつまで、私に想いを寄せているつもりなの?」
「一生だ! 死が2人を分かつまで、永遠に……!」

 幼馴染は未だに自分こそが己の最愛だと、信じて疑っていないようだ。

(本当に、自分勝手な人ね……)

 リベルラはますます、元護衛騎士を軽蔑した。
 一度神の前で立てた誓いを、破棄はできないと知っていたからだ。

(この国を統べる女王が率先して不貞行為を働けば、どうなるか……。そんなことにすらも、頭が働かない人だったなんて……)

 彼の自分本位で身勝手な行動は、目に余る。
 こんな男が自分の伴侶になっていたらと思っただけで、不愉快で堪らなかった。
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