思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(幼馴染だから、好きだった相手だからと温情をかけたのは、間違いだったようね……)

 たとえこの場に誰1人、己を助けてくれる人間がいなかったとしても――美しい花を手折られようとも、構わない。
 リベルラは女王としての誇りを胸に抱き、気高く咲き誇り続ける。
 それが亡き父親の意思を受け継ぎ即位した、己の使命だと信じていたからだ。

「私にはもう、あなたに対する恋慕など存在しないわ」
「どうして!?」
「叶わない恋を抱き続けていたところで、幸せになれないとわかっているからに決まっているでしょう?」

 一体何を馬鹿なことを言っているのかと呆れたように肩を竦めたところで、彼のやるせなさを増幅させるだけだ。
 それがわかっていても黙っていられなかったのは、少しでも時間を稼ぎつつ、幼馴染の身勝手な妄想をこれ以上強めないようにするためだった。
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