王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
10.
何か言葉を紡ごうと、シーラの唇が開きかけるものの、また閉じる。
「シーラ?」
不安になりエメリーネが声をかければ、シーラは「申し訳ありません」と頭を下げる。
「どうしてあなたが謝るの? その謝罪は、補佐官はできないという意味の謝罪なのかしら……」
エメリーネもどこか憂いを帯びた声で尋ねた。外から入り込んできた風が頬を撫でる。
「い、いえ……驚いただけです」
ゆっくりとまばたきをしたシーラのその言葉は、間違いなく本音なのだろう。
「ですが、私がエメリーネ様の補佐官というのは……」
シーラを補佐官として抜擢した場合、エメリーネは代わりの侍女をつけなければならない。
考えてみれば、補佐官よりも侍女のほうが時間を共にし、身近な場所にいるのだ。
「ごめんなさい、シーラ。今のことは忘れてちょうだい。あなたを補佐官にしたら、わたくしは他の侍女を探さなければならないわ。あなた以上に信頼できる人はいないというのに」
母親が亡くなってから、エメリーネの行動にはアルマスからのさまざまな制限がかかるようになった。
「シーラ?」
不安になりエメリーネが声をかければ、シーラは「申し訳ありません」と頭を下げる。
「どうしてあなたが謝るの? その謝罪は、補佐官はできないという意味の謝罪なのかしら……」
エメリーネもどこか憂いを帯びた声で尋ねた。外から入り込んできた風が頬を撫でる。
「い、いえ……驚いただけです」
ゆっくりとまばたきをしたシーラのその言葉は、間違いなく本音なのだろう。
「ですが、私がエメリーネ様の補佐官というのは……」
シーラを補佐官として抜擢した場合、エメリーネは代わりの侍女をつけなければならない。
考えてみれば、補佐官よりも侍女のほうが時間を共にし、身近な場所にいるのだ。
「ごめんなさい、シーラ。今のことは忘れてちょうだい。あなたを補佐官にしたら、わたくしは他の侍女を探さなければならないわ。あなた以上に信頼できる人はいないというのに」
母親が亡くなってから、エメリーネの行動にはアルマスからのさまざまな制限がかかるようになった。