あなたを手放す予定は、私の計画にありません――冷徹な首切りコンサルに、規定外の溺愛をされています
第十二章 白状
白状しなさいよ
月曜の昼、社食の隅の席に着いた瞬間、向かいに千夏がトレーを置いた。
「白状しなさいよ」
「……いただきますくらい言わせてよ」
「篠宮さん、廊下で笑ってたって目撃情報が三件。あの人が、笑うんだよ? 何があったのよ」
(社内の人は、篠宮さんをなんだと思ってるのよ)
味噌汁を一口飲んで、時間を稼いだ。
ただ、その一口分だけだった。
「付き合うことに、なりました」
千夏の箸が、止まった。
三秒、そのまま動かなくて、それから、トレーごと身を乗り出してきた。
「──言った! 私、言ったよね!? 指名のすぐあと! 相手役じゃんって言ったよね!?」
「声、大きい」
「予言じゃん! 私、預言者じゃん!」
「千夏に一番に伝えたんだからね」
「一番」
千夏は急に静かになって、噛みしめるように繰り返した。
「……一番か。まぁ、どうせいずれ社内にばれるだろうけど、とりあえず今は、私しか知らない秘密って優越感に浸るわ」
そして、当然のように追撃が来た。
「で、どっちから?」
「向こう」
もっと長く浸りなさいよ、とこのみは思いながら答えた。
「いつ?」
「金曜」
「工場の夜は?」
「何もなかったって言ったでしょ」
「じゃあさ、じゃあさ。篠宮さんの、どこがいいの」
箸が、止まった。