マッチングした相手は片想いの社長でした

第16話 好きだ 那奈

ホテルの部屋のドアが開いた瞬間、私は思わず息をついた。

「何とか見つかってよかった」

涼太君もほっとしたように笑う。

「そうだね」

新幹線が止まったと知った時は、本当にどうなることかと思った。

駅の周辺は同じように足止めされた人でいっぱいで、スマホでホテルを探しても、どこも満室。

やっと見つけたのが、この一部屋だった。

しかも――。

部屋の奥には、二つのベッドが並んでいる。

「よかった。ツインだった」

涼太君が笑った。私も頷く。

「うん」

同じ部屋に泊まること自体は、やっぱり少し緊張する。

でも涼太君は同期だ。

長い間一緒に仕事をしてきたし、何よりさっきも「何もしないから」と言ってくれた。

私たちはそれぞれ別のベッドに腰を下ろした。

「あー、疲れた」
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