薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――

第十六話 ――包囲網にあっさり引っかかる人達って、低レベルすぎませんか?――

耕史が澤登法律事務所へ突然やって来てから、二日が経った。

あの日、最後に茂樹先生が持ち帰った資料によって、両親の会社も財産も事故も、そして坂上幹司と坂梨未來が長い時間をかけて裏で動いていたことも、ようやく一本の線として繋がり始めた。

そこまで分かったのなら、次は集めた資料を慎重に精査して、警察や関係機関と調整しながら、少しずつ二人を追い詰めていくのだろう。

私は勝手に、そんなふうに考えていた。

相手は何年も人を欺き、会社や大金を動かし、事故さえ別人の仕業として処理させて生きてきた人たちだ。

いくら材料が揃ったとはいえ、そう簡単に尻尾を出すとは思えない。

なのに。

二日後の朝。

私は澤登法律事務所で自分のスマートフォンを握りしめ、画面に入力された文章を何度目か分からないくらい読み返していた。

『久しぶりに会いたい』

ここまでは、まだいい。

『あの男に騙された』

『私って、男運悪いのかも。やっぱり』

『お金も無くなった』

「…………」

酷い。

本当に酷い。

< 169 / 290 >

この作品をシェア

pagetop