薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
内容も酷ければ、これを私本人のLINEから未來へ送ろうとしていることも酷い。

そして何より。

目の前にいる皆さんが、この文章を見ても誰一人として申し訳なさそうな顔をしていないのが一番酷い。

「本当に、これ送るんですか?」

顔を上げると、陸斗さんは何の迷いもなく頷いた。

「送ってください」

「いや、これ……私、ものすごく残念な女になってません?」

「そう見せる必要がありますから」

「言い方!」

この一か月。

髪はこうした方が似合う。

コンタクトの方がいい。

その服よりこっち。

周囲から散々言われ、その中でも特に陸斗さんには何かと口を出されてきた。

最初は面倒だと思っていたけれど、鏡の中の自分にも少しずつ慣れ、「綺麗になった」と言われることにも以前ほど戸惑わなくなった。

なのに今日は。

男に騙され。

お金まで失い。

頼る相手もいなくなって、昔の友人に縋りつく女を演じろという。

「……この文章、誰が考えたんですか?」

「みんなで」

純さんが、さらっと答えた。

「みんなで!?」

一人の発案ですらなかった。

複数人で相談して。

最終的に。

これ。

余計に悲しくなってきた。

愛梨さんが笑いを堪えながら、私の画面を覗き込む。

「でも、未來さんにはかなり効くと思いますよ」

「二日前、髙橋さんは神宮寺さんが陸斗の妻だと思って帰ったからね」

純さんも続ける。

「その直後に本人から“騙された”“お金もない”って来たら、気になるでしょ」

「それですよ!」

私はすぐ陸斗さんを見る。

あの“妻問題”。

まだ私の中では終わっていない。

「耕史がそのまま未來に伝えてたら、私、この二日で結婚生活破綻したみたいになってません?」

「むしろ都合がいいですね」

暢さんが涼しい顔で言った。

「どこがですか!」

「二日前まで幸せそうだった人が突然、自分から助けを求めてきた。未來さんが神宮寺さんの不幸に強く反応するタイプなら、確認したくなるでしょう」

そこまで言われると、否定出来なかった。

昔から未來は、人が困っている時ほど優しかった。

でも今思えば、その優しさにはいつも、自分が相手より上にいることを確かめるような何かが混じっていた気がする。

私が弱っている。

陸斗さんにも騙された。

お金もなくした。

そして、最後に未來を頼った。

――それなら、たぶん来る。

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