さようなら、お別れしましょう
46 愛の告白 ※メリア


 ――わたくしの命を奪うつもり?

 イーザック様は、わたくしが暗殺の首謀者だと疑い、部屋の周りに見張りの兵士をつけた。
 その上、部屋に食事を運んでくる侍女の話によれば、イーザック様は再びシャルク・ホジャへ旅立ったという。
 いったいなんのために旅立ったのか、教えてもらえなかったけれど、聞かなくてもわかる。

 ――愛しいレフィカ様に会いに行ったのよ!

 愛するわたくしの言葉を信じてくれなかったばかりか、堂々と浮気をするつもりでいる。
 わたくしの嘘を盲目的に信じるほど、愛してほしかった。
 それなのに――
 
「イーザック様はレフィカ様の美貌に騙されたのよ! なんて悪女なの!」

 わたくしの容姿が平凡でなければ、今ごろ、完全にイーザック様を魅了できていたはず。
 そして、わたくしもレフィカ様の命を狙わずに済んだ。

「悪いのは、わたくしを愛してくれないイーザック様ですわ!」

 声を張り上げても、誰からも返事がない。
 なぜなら、暗い部屋には、わたくし一人だけしかおらず、侍女はいない。
< 209 / 249 >

この作品をシェア

pagetop