恋のメンテナンスは必要ですか?
第十三話 「待ってて」
ベッドで休んでいるとスマホが着信音を鳴らした。
ビクッと震え、恐る恐る画面を見ると、表示された名前で泣きそうになる。
『彩さん!大丈夫?!』
「っ……翔、さん」
『……彩さん?』
「すみま、せん……おはようございます」
『……さっき彩さんのお父さんからうちの父に連絡があって。事情は聞いた。車は?』
カーテン越しに外を確認するがまだ車は停まっている。
「まだ外に……」
『そうか。……警察に連絡して逮捕されたとしてもまたつけ狙われるかもしれない。もし、彩さんさえ良ければ俺が話をつけるけど』
彩は悩む。
許されるなら頼りたい、けれど一抹の不安が頭に残っていた。
「……でも、翔さんが」
『俺は大丈夫。それに今回のことを盾に、貴女へ迫ったりするようなことは絶対しないよ』
翔は彩の不安を言い当てるように補足した。
彼の優しさに彩の不安は和らぐ。
「本当に、……いいんですか?」
『正直、話を聞いた瞬間から助けに行きたくて堪らなかった。』
翔の言葉は彩のざわついた気持ちを落ち着かせる。
沈み込んでいた心が少し浮き上がり、体に温かさが戻るのを感じた。
「っお願い、します……」
『すぐに行く。待ってて。』
通話が切れる。
窓の外の車を見るたび、早くなる心拍数に指先を震わせながら。
翔が来るのを待った。