恋のメンテナンスは必要ですか?
第二十六話 「付き合う…?」
「私どうしたらいいのか困ってしまって……」
彩と翔はテーブルを挟んで向き合い、軽食を口に運びながらワインを酌み交わす。
二人は早めのクリスマスディナーを楽しんでいた。
高鳴っていた鼓動も話し始めれば和らぎ、緊張もほぐれる。お酒の力もあるとは思うが、何より翔と話すのが楽しかった。
「その子はどうして彩にそんなことをするんだろうね?」
「んー……思い当たることはありますけど、確実じゃないのでわからないですね」
「その思い当たることって?」
「んっと……」
しまった。
話題を間違えたことに気づき、汗をかく。
この話を深掘りすると翔が気にしてしまうことに今更気づき、どうにか話を逸らせないか考える。
でもその沈黙の時間が逆に翔へ考える時間を与えてしまい、彼は気づいたように呟く。
「もしかして、俺か?」
申し訳なさそうにこちらを見つめる彼に、こっちが申し訳なくなってくる。
「違っ……私の指名が多いから気に入らなかっただけだと思うから……」
「……俺も彩を指名しちゃったからな」
フォローしたつもりが全然フォローできていなかった。
「なんかごめんなさい……」
「それはこっちのセリフだよ。ごめんね、心労を増やしてしまって」
「そんなことないです」と手を大きく振る彩を優しく見つめ、翔は席を立つ。
「明日も仕事だし、そろそろ寝る準備しようか」
食器を片付け出した翔を手伝おうと彩も立ち上がるが、翔はそれを止めた。
「俺がやるよ。彩はお風呂、入っておいで?」
優しい言葉に胸が温まる。
「はい。ありがとうございます」と頬を軽く赤らめ、彩はお風呂へと向かっていった。