目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
episode24ーー洗練という名の刃
シンガポールでの勝利から数ヶ月。

中東LNGプロジェクトの正式調達決定を記念し、都内の超高級ホテルのグランドボールルームで「国際エネルギーフォーラム」のガラ・パーティが催されていた。

​ドレスコードはブラックタイ。

フロアには世界各国の要人や政財界の重鎮がひしめき、バイオリンの繊細な旋律が優雅に響いている。

鷹司の隣で、真由はネイビーのシンプルなロングドレスに身を包んでいた。

総務部から副社長補佐としての立ち位置を確立したものの、こうした煌びやかな社交界の空気に、どこか気後れを隠せない。

​「市川。顔が硬いぞ」

​鷹司がグラスを片手に、低く甘い声で耳元に囁く。

その手は真由の腰に自然に回され、愛おしむように引き寄せられた。

​「……すみません、副社長。こういう場所は、どうしても慣れなくて」

​「君はただ、私の隣で微笑んでいればいい。無理に誰かに合わせる必要はない」
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