目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
「君は、蓮の足枷などではなかった。彼の暴走を止め、その背中を支える『本物の柱』だったというわけだ」
宗一郎は胸ポケットから万年筆を取り出すと、手元の最終承認文書にサインを走らせ、真由に向かって滑らせた。
「鷹司の人間を横に置くということは、こういうことだ。これから先も、世界中で幾度となく理不尽な壁が君たちに立ちはだかるだろう。……せいぜい、その牙を研ぎ続けておくことだな」
宗一郎は1度も振り返ることなく、静かな足取りで会場をあとにした。
「……勝ったな、市川」
蓮が寄り添い、真由の肩にそっと手を置く。
真由は溢れそうになる涙を指先でぬぐい、まっすぐに蓮を見つめ返した。
「はい、副社長。……私たちの現場へ、戻りましょう」
熱帯の強い日差しが差し込むシンガポールの空の下。
1人の「総務部員」として、そして蓮の最高のパートナーとして覚醒した真由は、新たな世界へと誇り高く歩み出したのだった。
宗一郎は胸ポケットから万年筆を取り出すと、手元の最終承認文書にサインを走らせ、真由に向かって滑らせた。
「鷹司の人間を横に置くということは、こういうことだ。これから先も、世界中で幾度となく理不尽な壁が君たちに立ちはだかるだろう。……せいぜい、その牙を研ぎ続けておくことだな」
宗一郎は1度も振り返ることなく、静かな足取りで会場をあとにした。
「……勝ったな、市川」
蓮が寄り添い、真由の肩にそっと手を置く。
真由は溢れそうになる涙を指先でぬぐい、まっすぐに蓮を見つめ返した。
「はい、副社長。……私たちの現場へ、戻りましょう」
熱帯の強い日差しが差し込むシンガポールの空の下。
1人の「総務部員」として、そして蓮の最高のパートナーとして覚醒した真由は、新たな世界へと誇り高く歩み出したのだった。