元カレ弁護士の恋事情
7・私の財産
翌日、オフィスに出社すると、いつもとは違う慌ただしい空気が漂っていた。
あちこちで社員たちがひそひそと話し合い、何やら騒がしい。
「あっ、映美さん!」
川田さんが、足早に駆け寄ってくる。
「至急、会議室に来るようにと社長が」
「えっ、会議室に?」
おそらく、また盗作疑惑のことだろう。戸惑いながらも、言われるまま会議室へと向かった。
「失礼します……」
ノックをしておそるおそる扉を開けると、社長をはじめとする役員たちに交じって、久我さんの姿が目に入った。
そして、その向かい側に座っているのは、おそらくカネモトフーズの関係者だろう。
その顔ぶれの中に……曽根崎さんがいた。
曽根崎さんは仏頂面で腕を組み、こちらを見ようともしない。
まさか、本当にカネモトフーズにいたなんて。
それにしても、昨日、久我さんは『今日確認する』と言っていたけれど……。
たった一晩で、ここまで話を進めてしまうとは。
仕事が早いにもほどがある。