敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
胸のざわめき 1
その日、王宮の騎士団の鍛錬場には、珍しくエルフナルドの姿があった。
「はっ!」
鋭い掛け声と共に、剣がぶつかり合った。
エルフナルドと向かい合っているのは、一人の女性騎士。
無駄のない動きで剣を振るうその姿は、ただ者ではないと一目で分かった。
「……さすがだな、エリィ」
軽く息を整えながら、エルフナルドが言った。
「そちらこそ。ブランクがあるとは思えません」
剣を下ろしながら、エリィは微かに笑った。
二人の間には、長年共に戦ってきた者同士の、気安さと信頼があった。
「旅はどうだった」
「充実していました。ですが……やはりこの国が一番落ち着きます」
「そうか」
「それにしても、この国は良い国になりましたね。団長が陛下になられると聞いた時は、正直どうなる事かと思っていました」
エリィは苦笑した。
「ふっ、失礼なやつだ。まあ、私自身あの頃は不安ではあったがな。それにしてもお前は本当に遠慮がないな」
二人はふっと笑い合った。
エリィはかつて、エルフナルドが騎士団に所属していた頃の直属の部下であった。
女性でありながら、他の男性騎士にも引けを取らないほどの実力の持ち主で、常に第一線で戦っていた。
しかしエリィは数年前に騎士団を辞め、旅をするため国を離れた。
旅を終え、このたび久々にアルジール国に帰国した。
帰国の知らせを聞いたエルフナルドは鍛錬場へ足を運び、エリィと再会した。
久しぶりの再会に、二人は互いの近況を語り合った。
「はっ!」
鋭い掛け声と共に、剣がぶつかり合った。
エルフナルドと向かい合っているのは、一人の女性騎士。
無駄のない動きで剣を振るうその姿は、ただ者ではないと一目で分かった。
「……さすがだな、エリィ」
軽く息を整えながら、エルフナルドが言った。
「そちらこそ。ブランクがあるとは思えません」
剣を下ろしながら、エリィは微かに笑った。
二人の間には、長年共に戦ってきた者同士の、気安さと信頼があった。
「旅はどうだった」
「充実していました。ですが……やはりこの国が一番落ち着きます」
「そうか」
「それにしても、この国は良い国になりましたね。団長が陛下になられると聞いた時は、正直どうなる事かと思っていました」
エリィは苦笑した。
「ふっ、失礼なやつだ。まあ、私自身あの頃は不安ではあったがな。それにしてもお前は本当に遠慮がないな」
二人はふっと笑い合った。
エリィはかつて、エルフナルドが騎士団に所属していた頃の直属の部下であった。
女性でありながら、他の男性騎士にも引けを取らないほどの実力の持ち主で、常に第一線で戦っていた。
しかしエリィは数年前に騎士団を辞め、旅をするため国を離れた。
旅を終え、このたび久々にアルジール国に帰国した。
帰国の知らせを聞いたエルフナルドは鍛錬場へ足を運び、エリィと再会した。
久しぶりの再会に、二人は互いの近況を語り合った。