結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
結婚してもおひとり様
「いってきま……す?」
広々とした玄関で靴を履き、背後の振り返りながら室内に向けて声をかける。そこに冬馬さんがいるのかわからず、疑問形になってしまった。
返事がないのなら、不在だと思っていいだろう。フロアが広すぎて聞こえていない可能性もあるが、気安く返すほど慣れ合うつもりはないという意思表示だという読みも否定できない。
「ま、いっか」
考えてもわからないのだから仕方がないと、玄関を出た。
冬馬さんから契約結婚を持ちかけられてからすぐに婚姻届を提出し、その一週間後にはこの彼のマンションに移ってきた。
これまで住んでいた部屋の解約手続きや、荷物の片づけでしばらくバタバタしていた。それもここに来て二週間が経った今は、すっかり落ち着いている。
少ない交際経験はあるものの、異性と同居したことはない。いったいどうなることかと、不安は大きかった。
が、なんのことはない。豪華すぎるマンションで過ごすようになったという変化は大きいが、お互いの気配を感じる機会は極端に少ない。それは部屋が広すぎるせいだし、加えて彼が不在なことが多いからだ。ほぼひとり暮らしのときと変わらなくて、拍子抜けしている。
心地よい日差しを浴びながら、駅に向かって歩きだす。
休日の今日は、映画を見る予定でいる。その後、気になっていたカフェに寄るつもりだ。
平日は仕事をがんばって、そのご褒美に休日はおひとり様ライフを満喫する。それによって心のバランスを保ち、モチベーションを上げる。これがもう何年も続けてきた私のリズムだ。
電車に乗り込み、扉の脇に立つ。外を眺めながら、ここ最近の出来事を思い起こしていた。
広々とした玄関で靴を履き、背後の振り返りながら室内に向けて声をかける。そこに冬馬さんがいるのかわからず、疑問形になってしまった。
返事がないのなら、不在だと思っていいだろう。フロアが広すぎて聞こえていない可能性もあるが、気安く返すほど慣れ合うつもりはないという意思表示だという読みも否定できない。
「ま、いっか」
考えてもわからないのだから仕方がないと、玄関を出た。
冬馬さんから契約結婚を持ちかけられてからすぐに婚姻届を提出し、その一週間後にはこの彼のマンションに移ってきた。
これまで住んでいた部屋の解約手続きや、荷物の片づけでしばらくバタバタしていた。それもここに来て二週間が経った今は、すっかり落ち着いている。
少ない交際経験はあるものの、異性と同居したことはない。いったいどうなることかと、不安は大きかった。
が、なんのことはない。豪華すぎるマンションで過ごすようになったという変化は大きいが、お互いの気配を感じる機会は極端に少ない。それは部屋が広すぎるせいだし、加えて彼が不在なことが多いからだ。ほぼひとり暮らしのときと変わらなくて、拍子抜けしている。
心地よい日差しを浴びながら、駅に向かって歩きだす。
休日の今日は、映画を見る予定でいる。その後、気になっていたカフェに寄るつもりだ。
平日は仕事をがんばって、そのご褒美に休日はおひとり様ライフを満喫する。それによって心のバランスを保ち、モチベーションを上げる。これがもう何年も続けてきた私のリズムだ。
電車に乗り込み、扉の脇に立つ。外を眺めながら、ここ最近の出来事を思い起こしていた。