月刊注目作家 2016年7月 Link(小春りん)

月刊注目作家 今、注目の作家を毎月1名ご紹介★

2016年7月 Link(小春りん)さん

注目理由

ベリーズ文庫から『美味しい恋の作り方。』の発売が決まっているLink(小春りん)さんにインタビュー!この作品は、『はちみつ色の太陽』『意地っ張りなキミにKISS。』とリンクした作品。関連を持たせた経緯やリンク作品の書き方について聞いてみました!!

インタビュー

——『美味しい恋の作り方。』は、『はちみつ色の太陽』『意地っ張りなキミにKISS。』とリンクした作品ですが、これらの作品を関連させた理由を教えてください。
現在活動させていただいているLinkという名前の通り、小説を書き始めた頃から作品内での繋がりを大切にしています。それは登場人物の人間関係に限らず、作品内で起きた事件やイベント、1シーンでコッソリと別作品の1シーンを登場させたり(デート中にすれ違ったり、主人公が見ている映画が別の作品だったり)と、繋げ方は様々です。もちろん、それぞれの作品は単独で読めるようにしているので、それらは全て読んでくださる読者の皆様へのオマケのような楽しみ方の1つとして考えています。 繋がりを見つけた時に、少しでも得をした気分になってもらえたら嬉しいです。そのため、挙げていただいた3作についても、その楽しみ方の1つとして作品をリンクさせました。
——では、この3作はどのようにして生まれたのでしょうか?
はじめに公開・完結させたのが『はちみつ色の太陽』でした。その中に出てくる陽(よう)というヒーローが三姉弟の末っ子であることは『はちみつ色の太陽』執筆当初から決めていて、三姉弟、それぞれのお話を書きたいということも、その当時から考えていました。そこから三姉弟、個々に向き合って、それぞれの性格や環境を考えた上で生まれたのが日下部三姉弟の話です。長女の話が『美味しい恋の作り方。』、次女の話が『意地っ張りなキミにKISS。』、ふたりの弟の話が『はちみつ色の太陽』です。それぞれの繋がりのプロットは【3人が姉弟】くらいしか考えていませんが、3作に限らず、作品をリンクさせる時は、時系列だけは有耶無耶にならないように気をつけています。読者の方が繋がりのオマケを見つけた時に、違和感があると逆に楽しみが半減してしまうだろうな、と。ですが、実際に気をつけているのはそれくらいで、作者の私自身はリンク箇所を存分に楽しんで書いています(笑)。だからこそ、そうやって散りばめた繋がりに気づいてもらえて読者の皆様から反応いただいた時は、毎回とても喜んでいます。
——作家活動をするきっかけについて、教えてください。
最初は、通勤時間の片道1時間を何か有効なことに使えないかと思ったことがキッカケでした。そこから、その時間を使ってケータイ小説を書こうと決め、もしも書くなら読んでくださった方の心や生活に、何かプラスになるようなものを書けたらいいなと思ったんです。当時はハードに仕事をしながら活動をし、仕事との兼ね合いもあって長期間休んだり、復帰して幸いにも書籍化の話をいただけたり、また休憩をしたり…と、マイペースに活動していました。その内、妊娠出産・育児で再び1年以上書くことから離れてしまい、この先、作家活動をどうしようかと考えた時に「もう一度、向き合ってみよう。弱い自分に負けたくない」と思って応募したのが日本ケータイ小説大賞でした。Berry's Cafeと野いちごは以前から知っていたのですが、本格的に、こちらで活動しようと思ったのはケータイ小説大賞がキッカケです。こちらで書き始めた当初は、両サイトの読者の方に受け入れていただけるか不安もあり、何度も挫けそうになりましたが、ケータイ小説大賞では最終的に読者の皆様からの応援のお陰で、大賞をはじめ計3の賞をいただくことができました。その時に、読者の皆様から「もっと色々な作品を読みたい」と言っていただけて、改めて「これからも頑張ろう」と思ったんです。なので、今の私がいるのは本当に読者の皆様と出逢ってくださった全ての皆様のお陰だと思っています。
——小説を書くことについてのこだわりを教えてください。
書き始めた当初から徹底して守り続けているのは、登場人物たちに、例え冗談であっても絶対に命を軽視するような言葉は言わせないことです。それは私の母が命と向き合う看護師という仕事をしていて、自分が小さい頃から言われていたことの1つでもあるからです。同時に、登場人物たちの言葉には特別な力があると信じているからでもあります。それ以外でいえば、作品を通してテーマを決め、読者の皆様が読み終わったあとに何か前を向くキッカケとなるようなもの。Berry's Cafeではドキドキするもの、心癒やされるようなもの。そして、野いちごでは友達同士や親子で安心して読める、コミュニケーションのキッカケとなるようなものを書きたいと常々考えています。
——プライベートについて、どのような毎日を送っていらっしゃるのでしょうか?
今はまだ子供が小さいので、子育てメインで毎日が動いています。子供が寝た隙と家事の合間を縫って執筆活動、オマケで時々デザイナーの仕事をしている感じです。Berry's Cafeで書く作品については、独身時代、バリバリにデザイナーをしていた頃の経験がかなり深く活かされているので、オフィスものを書く時は数年前の自分にトリップして考えていることが多いです。最近は、子育てがある程度落ち着いたら、趣味のカフェ巡りを再開したいなぁとも思ったりしています。
——これからの活動についてお聞かせください。
いつまでも、いくつになっても挑戦する心を忘れずに、色々なものを書けたらいいなと思っています。その中で私自身もたくさん学び、経験し、それをまた皆様にお届けしながら恩返しができれば嬉しいです。学生恋愛もの、青春もの、大人恋愛、オフィスラブなど、全てを通して読み終わったあとには皆様の心が温まるようなものを書けるように、これからも精一杯頑張ります。

Link(小春りん)さんからのメッセージ

こんにちは、Link(小春りん)です。このような貴重な機会をいただき、とても光栄です。これも全て、日頃から応援してくださる読者の皆様のお陰です。本当にありがとうございます!これからも読者の方の心を温めることができるような、1日のうち1分でも癒やされる時間をお届けできるようなものを書けたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

編集部ピックアップ作品

  • ベリーズ文庫8月刊

    美味しい恋の作り方。
    勘違いから始まる胸キュンオフィスラブ
    総務部の地味なOL・杏は、自分に自信がなく恋にも臆病だが、料理だけは得意。それを憧れのイケメン社長・下條に知られ、「これからは俺のために手料理を作って」と命じられる。からかわれていると思い、一度は断わろうとした杏を、下條は強引に夜の海へドライブに連れ出して急接近!身分違いの恋と一線を引こうとする杏だが、「俺のものにしていい?」と情熱的に迫られて…!?

    >>特設ページはコチラ

代表作

  • はちみつ色の太陽
    ※野いちごへリンクします。
    「私は、太陽にきらわれている—」紫外線アレルギーに悩む高2の美月は、ひょんなことから学校1イケメンで硬派な陽の偽カノに!陽のファンから美月を守ったりと、不器用だけど優しい陽に惹かれていくが、陽にフラれた美少女・愛美が波乱を起こす。さらに、陽には秘密があって…?ラストは胸キュン&感動!!第10回日本ケータイ小説大賞、他2賞に輝いた史上最強学園ラブ!!
  • 意地っ張りなキミにKISS。
    デザインオフィス勤務のデザイナー・蘭は、美人だけど仕事一筋の、お一人様。そんな蘭は、イケメンだけどイジワルな上司の不破と、上司と部下という関係を何年も守り続けてきた。ところがある日、新しい仕事相手が蘭に強引に迫ってきて…「仕事中に、手とか握られてんなよ」ピンチに現れた不破から突然のキス…!?負けず嫌いなデザイナーと、イジワルで掴めない上司の意地っ張り系オフィスラブ。
  • 最大級の愛を、君に贈る。
    過去のトラウマから失声症を患う栞は、痴漢から助けてもらったことをキッカケに、医者を目指す他校の先輩・樹生と出会う。同じ時間を過ごし、互いのことを知っていく内に惹かれ合う二人。だけど、栞の過去に関わる“ある事件”が起きたことで樹生が苦境に立たされて…。不器用なふたりの、切ない純愛物語。

月刊注目作家とは?

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