幸せの花が咲く町で




「おばちゃーん!」



その次の日、いつものように幼稚園帰りの小太郎ちゃんと堤さんが、店の前を通って行かれた。



「小太郎ちゃん、お帰りなさい。」

「今日ね、翔君がおうちに遊びに来るんだ~」

「そう、それは良かったわね!」

「一緒にゴーヤーマンのDVD見るんだ~」

「そう、仲良く遊んでね!」

「では……」



「あ、あの、堤さん…!」

去って行かれる堤さんに私は声をかけ、堤さんは足を停められた。



「あの、夏美さんはお元気ですか?
あ、その、お仕事がお忙しいってお聞きしてたので……」

「ご心配していただいてありがとうございます。
なっちゃんは元気でバリバリ働いてますよ。
今日もまた遅くなるそうです。」

「そ、そうですか……」



今日も夏美さんは遅いということは、あの男性と会われる可能性は高いということだ。



(やっぱり確かめなきゃ!)



夏美さんのお勤め先がどこにあるのかも知らないのに、また出会えるとは限らない。
でも、先日夏美さんを見かけたあの場所に行ってみたらなんらかの手がかりはつかめるかもしれない。
夏美さんが帰って来られるのはいつもは7時半頃だって話だから、逆算すると職場を離れられるのは7時頃だ。



(十分、間に合う!)


私は、仕事が終わったら桃田の地下街に行ってみることにした。
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