完璧上司は激甘主義!?
「おっと!大好きなドラマが始まっちゃう!」

濡れたままの髪から雫が落ちないように、タオルを首に巻き、本日三本目のビールを冷蔵庫から取り出し、服の山を端に寄せてソファーに座り込む。


そう。
今はまだ会社でのみ『いい女』を演じていればいいんだ。
だって私と南課長の関係なんて、今はまだ“ただの上司と部下”でしかないのだから。

そんな関係なのに、南課長が私の家に上がることなんて、絶対にあり得ないことでしょ?
だから家でくらい、部屋を散らかそうがズボラな生活を送っていようが、構わない。

――……そう、思っていたんだけど、な。


それからしばらくして、私はこの自分の考えを激しく後悔することになることを、まだ知る由もなかった。
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