愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 朝からなんて心臓に悪い奴なんだろう。

 襲われた形跡がないか思わず確認してしまった。

 毎日こんな生活が続くんだろうか。

 ああ、思い出すだけでムカつく!

 誉の奴絶対に許さない。

 もうリビングに勝手に鍵つけちゃおうかな。

 今朝は誉を置いて、またいつもより早めに出勤した。

「その様子だと誉さんと何かあったみたいですね?」

「・・・・」

 何で誉が原因ってわかるの?

 私が目を丸くしていると、片山くんがクスクス笑いながらとんでもない事を口にした。

「瑠璃さんのアパートの引越の手続きしたの、僕なんです」

「・・・・」 

 片山くんが手続きした?

 ショックで開いた口が塞がらない。

「あっ、怒らないで下さいね。誉さんには逆らえないんです。恩人だから」

「恩人?」
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