不機嫌なアルバトロス

「いったぁ…」


出会い頭に誰かにぶつかったようだ。


予想していなかった衝撃に転んで腰を打ったらしく、その痛みに思わず顔をしかめた。



「すいません、大丈夫ですか?」



一も二もなく。


上から降ってきたその声が好きだなと思った。


冷たい道路の温度も、腰の痛みも吹っ飛んでがばっと顔を上げる。


心配そうにこちらを見て、手を差し伸べる男性。


やばい。


かなり、イケている。


いや、すごい格好いい。


モデルみたいな背の高さ。

手足の長さ、半端ない。

その上、格好良いけど、甘さあり。

仕事できますって感じの富裕層。


黒いコートは私が着たら床についちゃってついちゃってずるずるとひきずること請け合いだ。


もろタイプ。ど真ん中。
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