異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました


 オレの返事を聞いて、リズは満足げににっこり微笑む。

「そう。教育の手間が省けて助かるわ。名前はなんていうの? わからないなら適当に名付けるけど」
「椎名(しいな)英(すぐる)」
「シーナ? 女の子みたいな名前ね。あなた男よね?」
「男だよ。英の方が名前だけど……まぁ、いいか」

 椎名の方が呼ばれ慣れてるし。
 リズの名前が欧米風だったの忘れてた。
 リズは部屋の出口に向かってオレを促す。

「じゃあシーナ、一緒に来て。あなたには早速色々と覚えてもらうわよ」
「何を?」
「警察局のこととか、あなた自身の体のこと。一週間後には実務投入だから、それまでに体を自在に制御できるようにならないと成果は挙げられないわ」

 早速仕事ということらしい。

「成果が挙げられなかったら?」
「お払い箱に決まってるじゃない。役立たずのロボットに国家予算を投入できないでしょ」
「お払い箱って……」

 なんかイヤな予感がする。

「機能停止。解体処分よ」
「それって期限は!?」
「一年間。一年以内に目に見えた成果を挙げること。それがあなたと私に課せられた使命よ」

 つまり一年間なんの成果も挙げられなかったら、オレはやはり消える運命ってことか?

「オレって余命一年ってこと?」
「そうとも言えるわね」

 転生した途端に余命宣告かよ。冗談にしても笑えねー。

「くそっ! やってやる! 絶対生き延びてやるからな!」
「その意気で頑張ってね」

 だが、白衣の腰巻きひとつで決意表明してても間抜けすぎる。

「頑張るから、とりあえずもう少しまともな服をくれ」



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