とろける小春
得意分野は落ち込む事、悩みを詰め込めるだけ詰め込んだスーツケースをひきずり生きているような。
悲しみをせっせと放り込んだリュックも背負っているような、薄暗い人生を歩いている私。
この春大学を卒業して恋愛適齢期まっただ中なのに、その方面の明るい記憶は一つもない。
中学生の時に遅めの初恋を経験したものの、隣のクラスだった相手に思いを告げるどころか親友に「告白したらOKもらえた〜」と満面の笑顔でわが初恋の男子を紹介され。
『よ、よかったね、おめでとう』と呟き初恋は玉砕。
思えばその頃から私は恋愛に関しての自信を無くしていたけれど。

人生の幸運全てをかき集めたに違いない私の就職先は超一流企業。
人見知りで人付き合いが苦手な私はパソコンとお友達。
プログラミング能力に長けていたことが決め手となり採用された。

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