黒色女子を個人授業
誰だろう? と私は首を傾げ、そういえば母親が野菜を仕送りするような話をしていたっけなぁ、と思い出す。

「宅配便だと思います」

そういってベッドから身を起こそうとする私を、彼は手で制した。

「代わりに出るよ」そう言って彼は玄関へと向かった。


彼の言葉に甘えて、私は再びベッドに横になる。

少し外出しただけなのに、やたら体力を消耗した。

熱のせいもあるけれど、きっとそれだけじゃない。

大城さんと一緒にいると緊張するというか……

嫌って訳ではないのだけれど、変に気分が高揚してペースが乱される。

一人になって、私は開放感から大きく息を吐いた。


やがて玄関のドアがガチャリと音を立てた。


「なんであんたが……」

ん??


玄関から宅配便とは思えない声が聞こえて、私はベッドから飛び起きた。


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