本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
男の人に全てをさらけ出すのは怖いしすごく恥ずかしい
だけどそれ以上に小牧君への思いの方が大きかった。
こんなに好きになるなんて思わなかった。
一緒に過ごせば過ごしただけ好きが大きくなる。だから私はだまって頷いた。
恥ずかしいし、すごく怖い。
だけど小牧君なら・・と言う思いが私をそうさせたのだ。

私は小牧君に手をひかれながら階段を上った。
「足元気をつけてね」
暗くてよく見えないが2階の奥が小牧君の部屋の様だった。
「どうぞ・・・」
初めて入る男の人の部屋。
想像もつかなかったけど思った以上にシンプルだった。
「何にもなくてごめん・・・」
謝りながら小牧君はベッドに腰を下ろす。
私もつられるように腰を下ろすがもう心臓が飛び出そうなほどドキドキしている。
小牧君がさっきよりもさらに強く手を握ると、ビクッと身体が強張る。
下を向いたままに膝の上の握ってない方の手を凝視する。
「怖い?」
「え?」
ふいに問いかけられ顔を上げると、申し訳なさそうな顔があった。
「もし、嫌なら何もしない」
優しく私を見つめる小牧君に私は首を横に振った。
「本当は凄く怖い。だって男の人に自分の身体を見せた事なんてないし・・・最初はすごく痛いって聞くし。でもね、それでも私がこうやって小牧君の隣にいるのは・・小牧君が好きだからなの」
小牧君は握っていた手を離すと私に抱きついた。
「怖いのは俺も一緒だよ。好きが大きければ大きいほど不安にもなる。だけどね・・・俺も好きなんだ。
杏奈が凄く凄く・・・好きなんだよ。」
ゆっくりと私の身体が押し倒される。
怖いけどそれ以上に好きって気持ちが大きいのは私だけじゃなかった。
それがうれしかった。だから・・・もう迷わない。
私は小牧君を抱きしめる腕に力を入れた。
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