依存~愛しいキミの手~
そんな時間が止まりかけた時、美香とりょうちゃんの視線を感じ現実に引き戻された。


うわっ、さっきりょうちゃんが言ってた『特別』って言葉思い出しちゃった…。


2人に見られているのが照れくさくて俯いた。


「またお前(笑)」


圭介が笑いながらゆっくりと髪をなでてきた。



「美香お待たせ…って、圭介顔赤っ!一気ばっかして盛り上がってたもんなぁ」


優が席に着くと、りょうちゃんが


「じゃ俺席戻るわ。ごちそうさま」


と、グラスに軽く乾杯して席を立った。


「優、これ。美咲さんから」


圭介が優にさっき手に持っていたブランドの紙袋を渡した。


「え!?何で?」


優が受け取りながら驚いている。


「ほら、この前フランス行くって言ってたじゃん?それの土産みたい。」


「まじか!美咲さんに挨拶してこなきゃ」


優が半分腰を上げる。


「もう帰っちゃったよ。明日仕事早いみたいでさ。…あ、お前らチョコ食える?」


頷くと圭介は席を立ってどっかに行ったと思ったら、すぐに箱を持って戻ってきた。


箱を開けるとおいしそうなチョコがたくさん並んでる。


「わぁ、おいしそう!」


私が思わず声にだした。


「指名してくれてるお客さんがくれたんだけど、量多いからお客さんとか従業員に配ってってさ。食って?」


そんな気の利くお客さんもいるんだ。大人な女性の対応…みたいな。
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