エリートな彼に甘く奪われました
「愛?どしたの」

彼が屈み込んで目線を合わせてくる。

周りからきゃーと非難めいた声がする。

「あ、ごめんなさい、ここ、目立つわね。少し離れて出ましょうか」

私がそう言うと彼はチラリと振り返り、またこちらを向くと、

「困る?迷惑かな」

と哀し気な表情になった。

「わ、私じゃなくて、あなたが困るかなって」

私が慌てて言うと彼は手をキュッと握ってきた。

「遼…!」

「俺は、困らないよ」

そう言って私の手を引っ張り歩き出した。

「早く二人きりになりたい」

そう言って私の方をちらりと見た彼の目が艶やかに輝いた。

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