君だけを愛している…



「お前…名は何という」


「……………春奈」


「そうか…
私はルイスだ」


―男…ルイスは冷たく
氷のように鋭い声で言った




「お前には城にいてもらう、この城の中ならば
お前を喰らう魔獣はいないだろうしな…」


ルイスはそう言い不気味に笑った



―ゾクッ

その瞬間、身体中に
恐怖が走った…


私はそれを我慢するように唇を強く噛んだ





―――だが…


「――――んっ!!」




…なんで…………




ルイスはいきなり私の
唇を触ったかと思えば 
なんの断りもなく自分の 唇を押し付け、舐めてきたのだ……



「強く噛みすぎだ血が出ている…

それにしても甘美な血だ 」


男の目は金色に輝いていた―――


「目が…」


「あぁ、血を飲むと
こうなるのだ気にするな」






それだけ言うと部屋から出ていった―――……








――初めてだったキス…

あんな味気ない感じに
終わってしまった…











< 15 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop