LOVELY☆ドロップ

ああ、どうしよう。

恋人どころか働き口さえも失ってしまったあたしは、これからどうすればいいのだろう。


実家から上京してくる時、両親には何度も心配され、都会はゆるやかな雰囲気の田舎とは違うと反対された。

いきり立ってここに来たから、両親には迷惑をかけたくない。

それに、お腹に赤ちゃんがいるこんな状態で帰ったってきっと、それ見たことかとそう言われるのがオチだ。


実家には帰りたくない。



でも、すべてを失ったあたしはこの広い都会で子供を抱え、たったひとりで生きていく生きていく自信はない。

結局、親を頼るしかあたしには方法がない。


だけど……でも……。

そうしたら、あたしが無力な人間だとそう言われるようでとてもじゃないけれど耐えられない。

それに、田舎は噂話なんてすぐに広がってしまう場所だ。

あたしが男の口車にまんまと乗せられ、捨てられた上に子供までお腹に宿しているなんて後ろ指をさされて生きていくなんて耐えられない苦痛だ。

これからのことを考えれば、胃はすくみあがり、吐き気さえ伴う。

慶介が言うように、中絶した方がいいのかもしれない。


すぐに病院に行って、手続きを済ませて……。

お腹がぺったんこな今なら赤ちゃんへの情も薄い。

まだ間に合う。

あたしのお腹に宿った子供の存在を忘れてこれから生きていくんだ。


あたしが、慶介にされたようにこのお腹にいる子も捨てて――……。


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