束縛+甘い言葉責め=溜息
 集中力が完全に途切れた。意識が急に遠くなる。

 吉住は余韻にもしっかり応え、ゆっくり円を描くようにしながらも、身体の痙攣を抑え、なおかつ、徐々に新しい快感を引き出そうとしている。

「働かないことが決定したんだから、今日はそのままするよ」

 まさかと思った時には遅かった。既に、吉住が言葉通り、下着の隙間からそのまま侵入しようとしている。

 抵抗する暇もない。

 慣れた具合で入りきったと同時に、吉住の体勢が変わった。ベッドに膝をつき、背後から責める気だ。

 余韻が残る中、次々事が流れていき、ただシーツを掴むのが精一杯になってくる。

「真紀を見る男の目がどんなのか、想像しただけで腹が立つ」

 吉住は自らの怒りと身体の動きを合せるように、力を込めてきた。

「真紀……、そんなに働きたいなら、朝、昼、夜、僕の言う通りにしてもらうよ? 身体を使った奉仕もちゃんとした仕事の一部だからね。きちんとお金も払うよ、明細書にも記入してあげる」

 相当興奮しているのが、身体でも分かるが、言葉でももちろん分かる。そして吉住は言い出したら必ず実行する。これも、嘘でないのは確かだ。

「真紀……一度楽にしてあげようか?」

 吉住は何かを察したのか、身体の動きを止めて、下着の上から突起を指でせり上げてくる。

 私は、素直に頷いた。

「家でいるってちゃんと約束してくれたらね…………。あれ、できない?」

 返す言葉が見つからず、ただ、指の動きに頭が集中してしまっている。

「真紀……僕の言うこと、ちゃんと聞かなきゃダメでしょ……」

 指が離れたな、と思ったら、身体が急に動き始めた。だが、ポイントが明らかにずれている。

「真紀……僕はこれでもいいんだけどね、真紀が辛いでしょ? 2人が良くなるには、どうしたらいいのかな?」

 吉住は一度身体を止めて、ティシャツ越しに背中をツーッと人差し指で撫でた。

「真紀がね……」

 開いた右手が、ティシャツの中に入り込み、突起の周りを円を描くように撫でてくる。

「言うことを聞いてくれたら、一番いいんだけどな」

 撫でまわすのに、もう少し真ん中には、手を届かせてくれない。

「…………」

 仕事のことなど半分忘れて、ただ吉住の指など身体の動きを追うので精一杯だった。

「聞かないんだね」

 別にそんなつもりじゃないけど。

 この時にそう一言いえば少し、違っていたかもしれない。

 吉住は中のポイントを元の位置に戻すと、身体の動きを徐々に速め始めた。

「嫌とは言わせない。そのまま、出すよ」

 まさか、本気で4人目作る気!? と、少し身体を前に倒した。

「こらっ、良い子にしないと……」

 そう言いながら、右腕を捉えられて掴まれた。

 そのせいで体勢が上がり、より奥まで吉住の思い通りになる。

「真紀……。これが僕の愛し方だよ」


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