初恋シグナル~再会は恋の合図~




ねぇ。




ねぇ。





今の、なに……?





「……馬鹿」




どうしてそんなふうに私に触れるの。



勘違いしそうになる。



きみの鼓動が、私と同じくらい早かったんじゃないか、なんて。


私と同じくらいドキドキしたんじゃないかって。




「……そんなわけないのに」



ひとりぽつんと取り残された私は、しばらく立ちつくしたまま、歩き出せないでいた。




彩織さんと話すように薦めたのは私なのに、もう後悔してる。



不安で不安で仕方ない。



私って、なんて勝手で、なんて、弱いヤツなんだろう────。





< 268 / 424 >

この作品をシェア

pagetop