冷徹ドクターに甘やかされてます



(…幸せ)

ふふ、とまたにやける顔で足を進めていると、視界に入るその後ろ姿。



「…ー…」



「!」



高い背に小さく結った髪型。その姿が彼であることは明らかで、私はタタタッと駆け寄ってはその背中にぎゅうっと抱きついた



「せーんせっ!」



「うぉっ!」



突然抱きつかれたことに驚いたのか春田先生は声を上げ、怪訝な顔でこちらを見る。



「おはよー!元気!?」



「仕事中。くっつくな」



「えーっ」



(あれ?でも仕事中じゃなければいいってこと?)

容赦無く体を引き離されながら見れば、春田先生の目の前には一人の女性がいたことに気付く




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