恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「けどよ、今日はめちゃめちゃ焼けそうだなあ」


目を細めて空を見上げた佑真につられると、雲一つない青空が広がっていた。


その真ん中で、我が者顔であたし達を見下ろす太陽。


ジリジリと焦がすような熱を放つそれは、あたしの大好きな季節のものとよく似ている。




夏はもう近い。


毎年この季節が近づくとなんだか浮足立つ。


ワクワクやドキドキがいっぱい待っている。

何かが起こる。

そんな期待で胸が掻き立てられるんだ。


今年は、どんな夏になるんだろう――…




「眩しっ――」


太陽の光が直接目に入り、あたしは顔に腕をかざした。

< 15 / 486 >

この作品をシェア

pagetop