おかしな二人


外がオレンジ色に染まる中、たどり着いたマンション前。

「水上さん、着きましたよー」
「お? おう……」

解っているのかいないのか、寝言のような返事だけで瞼を持ち上げない。

「おーい、えいじぃー。着いたって言ってんでしょー」

相手が酔っ払って寝ているのをいい事に、容赦なくタメ口で言ってみる。

「おぉ? うん……」

なんとか瞼を持ち上げた水上さんは、同じような返事をしながらもタクシー代を支払い、ズルズルと下車する。
あたしは、そんな水上さんへ肩を貸すようにしてマンションへと入った。

ドサリとソファに座ると、グッタリとしてしまった水上さんへ、冷たい水をグラスに入れて手渡す。
水上さんは、グビグビと喉を鳴らしグラスの水を飲みきると、ふぅ~、と大きく息をつく。

「……すまん」
「え?」
「飲みすぎた……」

どうやら、自分でも自覚したようだ。



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