Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
あこの花
――一月。

X'mas以来、ケンとは毎日会った。

ケンにどんどん惹かれていくあこがそこにいた。

でも、年末年始は、お互い忙しくて、全く会えなかった。

ケンは実家に帰ったり、バイトだったりで、忙しく過ごしていた。

でも、ケンはメールと電話を欠かさずに毎日してくれた。


大学の冬休みも終わって、久々にケンの顔をみた。

ケンは少し痩せて、元々綺麗な顔立ちだったのに輪がかかって大人っぽくなっていた。

ケンの存在の大きさに気付く。

あこの支えになっていた。



2月15日。

もう冬の寒さにも馴れた頃。

あたり一面は、真っ白な雪で眩しいほどの銀世界。

『ハァーッ』

空に向かって息を吐くと真っ白な曇が、あこの口から出ていく。

今日、この日、あこの運命がまた変わろうと、ギシギシと音を立てていた。

あこは、朝からそわそわしっぱなしだ。

…その理由を知ってるのは、あこ以外にエリだけだった。

昨年、11月。
夏も終わり、空気が冷たさを増した頃。

突然、大好きなあっちゃんから別れを告げられた。

あの日、あっちゃんが言った一言。

あの公園の花壇の前で言われた言葉。

「2月15日、あこは一人でここに来るんだ。」
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