恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「今のトコその予定。花澄ちゃんも来る?」
「……え?」
「来るなら衣装を用意しておくよ。どう?」
雪也は花澄の顔を覗き込み、笑顔で言う。
……その、どことなく強引な瞳。
花澄は驚き、目を見開いた。
そんな花澄を横目でちらりと見、美鈴がくすくすと笑う。
「いいんじゃない? 花澄、はっぴとか似合いそうだしね?」
「……っ……」
花澄は嫣然と笑う美鈴を見、ぐっと手を拳に握りしめた。
そう、雪也は何かと自分を誘ってくれるのだが、それらのほとんどはロマンチックとはほど遠いものだ。
やはり自分は雪也から見たら子供っぽいのだろうか。
同い年なのに……。
雪也が美鈴を神輿担ぎに誘うところなど、見たことがない。
それでも、雪也と一緒の時間を過ごせるなら行きたいと思ってしまう……。