Be yourself!

「言ったよ、もちろん。それで採用してもらえたって思ってるよ」

「いや、そうじゃない。きっと体力面を買われたんだと思うな、僕は。どうもうちは採用面で保守的なところがあったから、たまには毛色の違ったキャラクターを入れてみようと思ったんじゃないかな。ああ、きっとそうだね。要するに体力バカ」



一人で納得する池中。


む……ムカつく!
僕っていうのもムカつくし、なんだかスネ夫みたいな口調もムカつく!


だけどとにかく顔がいいから、そんな嫌味な言葉を吐いていても、周囲からは「ちょっとあの人素敵よね」みたいな目で見られているのが、腑に落ちない……。


そう、池中は残念ながら(?)かなりのイケメンだ。

ハーフだかクォーターらしい、華やかで甘い顔立ちをしていて、すらーっと背が高くて。おしゃれ眼鏡がトレードマーク。

研修中だというのに、妙にいいスーツ着ているし、隙がなさすぎ。ここまで来ると何から何まで厭味ったらしいのに、さらにアメリカのなんとかいう大学を首席で卒業した超エリートだと風の噂で聞いた。

うわべだけ判断すれば少女マンガに出てくるヒーローかよって感じだけど、このように、性格は嫌味で最低なやつなので、人間としてはトントンだ。



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