Be yourself!
だけど何をやらせてもサクサクとこなす池中と違って、私は……まぁ、お察しくださいという感じなんだけど。
いちいち突っかかられてムカつくけど、こいつと一緒にいるのは今だけだ。彼は研修が終われば、すぐに出世コースや花形の部署にに配属されるに違いない。
我慢我慢……
私はアイドルと一緒に仕事をするんだから、こいつとはここだけのお付き合い……。
そうやって自分を宥め、カレーをせっせと口に運び、お水を飲みほして立ち上がった。
「じゃ、私先に行くから」
「ああ、人事に呼ばれてるんだっけ。きっと試用期間終了のお知らせを受けるんだと思うよ。短い間だったけど、なかなか面白かったよ」
池中は紙ナプキンでそっと口元を抑えた後、私を見上げてやんわりとほほ笑んだ。