愛されて

一緒に…

ママが突然…私を迎えに来たのは。
中間試験まで、あと5日というころだった。

いつものように…夕食を食べ終わって、お風呂までの間、テレビを見ていると。

リビングのドアが開いてママがやって来た。

「遥香…帰るわよ…」
ママがぶっきらぼうに言った。

えっ!?
何…急に…

「もうすぐ中間試験でしょう?おばあちゃんが井上先生に頭を下げて、もう1度、遥香の勉強を見てくださるというから帰りましょう!」

ママは言った。

ママは私が…
女子大に合格する手段を自分でなくしたから。
出て行ったと思っているようだった。

違うよ…ママ。
私は…誰からも愛されていないと思ったから。
家を出たんだよ。

「お願い、遥香。ママと帰って…遥香が帰られないとママがおばあちゃんに叱られるの。ママは遥香が頼りなの…」

ママは自分勝手だ。

だけど。
ママの泣きそうな顔を見ていると。
帰られないといけないような気がした。

私は家に帰った。
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