子うさぎのお世話

朝食と本音【side時春】





潤んだ瞳



熱を含んだ柔らかな頬



震える小さな体――…



「……っ…!!」



時春は雪兎の頬に触れていた手を思わず離し、グッと握りしめた。



「……?」



何も分からない雪兎はきょとんと首をかしげて、こちらを見ている。



「…学校遅れるな…。行こうか、うさ。」



その言葉をしぼりだすので精一杯だった。



雪兎は素直に、うんと頷いてカバンを取りに部屋に向かった。



「………っ。」







――――危なかった。



そして、








――――恐ろしくなった。



雪兎のあの表情を見た時の自分――…








< 31 / 197 >

この作品をシェア

pagetop