御曹司の秘書さんの日常◆

勘違い×勘違い

***

「あらぁ。めずらしいのね。」

武はふーーっと細く煙草を吐いた。

ベッドに灰を落とさないように
少し体を起こして煙草を吸っていた武は、
だるそうに話しかける
アカネの髪の毛を撫でた。


「あ。すまん。」

「いいのよぉ?私、武さんのたばこ吸う手が好きよ。
 口を軽く覆う感じが、ときめくわ。」

アカネはゆっくりと身を起こしてから
武のそばに寄り添った。

武は、ベッドサイドの灰皿に煙草を置いてから
アカネに軽くちゅっとキスをする。

「なにかあったのぉ?」

アカネは自分のネイルに目を落としながら
武に適当に話しかけた。

「んー?」

そのまま、アカネの首元にキスする。

「やだぁ。またヤるの?
 いいけど~~
 
 やっぱり、何かあったんじゃない?」

「アカネ。俺だけを感じて」

余計なことを考えずに。

そういって、武はアカネの唇に深いキスを落とした。


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