僕が恋した、13歳年上のお姉さん  

痛み・・・ ~彩菜side~

「ごめんね、遅くなって」


「いえ、私も今来たところですから」


仕事が終わって午後の7時。
彼が少し遅れて待ち合わせ場所にやって来た。


「そう? じゃあ行こうか」


「はい」


今日は彼と食事の約束をしていた。


彼の名前は森野登(モリノ ノボル)
親戚のおばさんから紹介された人。
一応、お見合いみたいな感じで知り合って、
付き合うという形になった。


この人のことを私はまだよく知らない、
どんな趣味があって、どんな食べ物が好きなのかも。

ただとても気を使ってくれて、
やさしい人だということだけはわかる。


でも普通それだけで付き合うってことにはならない、
好きでもない男の人と付き合うなんて私にはありえない。
でも私は彼と付き合っている。


何故なら私は、断る事ができなかったからだ。
この縁談が結婚前提ということで設定された話だったから・・・

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