言葉にできない。


「ちーももう27歳なんだねぇ…」


その日のうめちゃんは、なんだか様子がおかしかった。

しんみり、とまではいかないけれど元気がない。


「なぁに、うめちゃん。あたしが相変わらず嫁にも行かないから心配?」


食後のお茶を啜りながら、千鳥は雑費帳に記入していく。


廊下の電球、切れそうだった。
共同風呂の洗面器、割れてたよね。



そう考えながらうめに答えていたが、反応がない事に気付く。

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