憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 「・・・莉子はどうしたい??」

 早川さんのお父さんが、複雑な表情をしながら早川さんに尋ねた。

 「・・・お父さんの気持ちも分かる。 だから、お父さんが嫌がる事はしたくない。 でもワタシ、木崎センパイの事が好きなんだ。 ・・・どうしたら良いのかな、お父さん」

 早川さん、まさかの質問返し。

 「・・・どうしたらって・・・」

 早川さんのお父さんも、返事が出来ずに困っている。

 リビングに、困り果てた人間が3人。

 早川さんはオレを諦める決心をしていた。 だから、オレが早川さんの事を諦めれば済む話。

 オレも早川さんのお父さんと同様、頭では分かっているのに、そう出来ない。
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