first love～世界で一番素敵な初恋～

突然訪れたきっかけ

10月になると、学校では文化祭ムードになっていた。
11月に行われる文化祭の為に出し物を決めて１ヶ月かけて準備をするらしい。


文化祭の話は西園寺に予め聞いていたけれど、内容は一般の高校とほとんど変わらない。
一般公開されるから、一般の方でも楽しめるように出店の値段は安く設定されていた。


その話を聞いて、私は一安心。
キャビアとかフォアグラとか高級食材を扱えって言われたらどうしようかと思った。


「では、２ーＡは劇に決まりました！」


クラス委員が仕切って出し物の多数決を取ると、私のクラスは出店ではなく劇に決まった。


「次に、何の劇をするか決めたいと思います。候補をいくつかあげてください。」


クラス委員は張り切って進行しているけど、ここで手を挙げる人はいなかった。


「候補がなければ白雪姫に決定だ。」


そう言って立ち上がったのは、隣の席で眠っていたはずの西園寺。
何で白雪姫？？っていうか、いつ起きたのよ。


「他に意見がないようでしたら………」


クラス委員は怯えた様子で、劇は半ば強制的に白雪姫に決定した。
でも、西園寺が白雪姫を押すのは何でだろう。
西園寺なら、もっと違うジャンルの劇を選ぶと思ったのに。