痩せたい・・

私はファーストフードのアルバイトを辞めて
地元の駅前にある美容室でアルバイトを始めた。

それと同時に、美容学校の通信教育を申し込み
自宅で勉強をしながら昼間は美容室でアルバイトをした。

もちろん高校には、全く行かなくなった。

週に一度の休みは技術の練習日に費やすし
帰宅してからは、たまに友達と遊びに行く程度で
私の暮らしに高校生活と言うものは必要ない訳で。。

それなのに、学費を支払い私が高校に在学していられるようにと
尽くしてくれた両親には今となれば感謝の思いが残る。

当時の美容室のアルバイトで毎月、稼げる金額は13万くらい。
ほとんどが、洋服を買ったり、美容師に必要な小道具や
練習代のウィッグを買って、終わる。

足りない時もあった。
そんな時は、母親に借りた。
でも、それでも足りない時は
母親の財布から金をくすねた。

それに気づいた母親が、財布の隠し場所を変えてしまい
くすねる事も、そんなに長くできた訳ではない。

だから生活は、いつも、カツカツだった。

何故、こんなに当時、金を必要としていたのか。

私は、長身でありながら中学に入った頃から太りだしてしまい
正直なところ、非常にがっちりした体系だった。

美容師を目指し、日々、鏡と向き合う生活を送っていたら
常に自分の容姿を映し出され、コンプレックスは次第に増していったのだ。

また、この頃、美容師としての憧れでもある原宿のお洒落な美容室に面接に行った事がある。その時、面接をした店長らしき人が私の体系を、上から下まで何度も見たような気がした。

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